フィールドワーク

【日程】 (2018年度)
        ※毎年内容は変更されます。

1日目 フィリピン到着 アクティビティの最終確認

2日目 アジア開発銀行(ADB)訪問
   日本理事室理事長代理 田辺さんからADBの説明
   日本人職員の方々との意見交換会
   館内ツアー
 日本人職員の方々と会食 Childhopeにてアクティビティ  

3日目 Childhopeにて聞き取り調査
   Sandiwaanにてアクティビティ ごみ山訪問

   4日目 帰国

アジア開発銀行 ADBとは。

アジア・太平洋における経済成長及び経済協力を助長し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に設立された国際開発金融機関です。
日本人職員との意見交換会では、南アジア局の教育に携わる職員、東アジア局の都市開発・社会開発に携わる職員、経理部の職員という三名の方々からお話を伺うことができました。  

【ADB職員との意見交換会において】

国際公務員として働く上で、彼らが思う求められる能力・コンピテンシーは何かという問いに対して、印象的な意見を頂いたのでいくつか紹介したいと思います。
・チームメンバーとしてプロジェクトを回す上で、リーダーが求めるものを具体的に提示する力
・国籍もバックグラウンドも全く異なる人と働く上で、リーダーとして、穏やかで明確なコミュニケーションをとる力(職員の考える穏やかなコミュニケーションとは、相手の話をしっかり聞く姿勢と誤解のないように伝えること)
・スケジュール管理能力(これは、日本人の強みだと皆さん賛同されてました) これらのコンピテンシーは、一見単純に思われます。しかし、改めて実践するとなると、難しいと感じる場面は私たちの学生生活の中で多々あります。例えばクリアなコミュニケーション能力です。
ゼミ内での議論において相手に伝わるよう整理し自分の考えを的確に述べる、相手の意図を正確に読み取ることは私達の大きな課題の一つです。今回お聞きしたコンピテンシーをより高めるために意識してゼミのグループワークに励もうと思います。

環境への持続可能な取り組み】

ADBの施設内で行なっている環境の取り組みでは3つの事が紹介されました。
1つ目にソーラパネルの設置です。これらは施設内の4%の電力を賄っています。残りは工場などから排出される蒸気の熱を利用、電力を利用していまおり、どちらも持続的、かつ再生エネルギーを利用している為、Co2の排出の大幅な削減を可能にしています。
2つ目に大気中にある水分を吸収、ろ過を行い飲み水に変える装置を試験的に設置し、新たな水の製造方法を取り入れています。
3つ目に紙の再利用では使用済みの紙をシュレッドし、業者へ販売することで、紙のリサイクルを行なっています。 この様にADBの施設内では様々な環境問題への取り組みが行われていることが施設見学を通じて分かりました。

Street childrenのフィールドワーク

【Street childrenの現状】

フィリピンには国際NGOによると、約24万6千人のStreet childrenがいます。彼らの生活状況は3つに分類されます。路上で寝泊りしている子どもたち、日中は路上で働き、夜は家に戻る子どもたち、家族が全くいない子ども達です。働いている貧困層の子ども達は窓拭きをしたり、物を売ったりしてお金を稼いでいます。しかし、貧困層の子ども達が大金を持っていると身分不相応と判断され、その多くは大人達に取り上げられてしまいます。また、女の子だけでなく男の子も人身売買に巻き込まれて、お金を稼がなければならない子もいます。

【Child Hopeの子供達】

フィリピンでは沢山のNGOがありますが、中でも、 Child Hopeは支援の状況を数値として明確に出していて信頼性があり、貧困層の子ども達に対して現場で教えるEducaterとメンタルサポートをするSocial workerの二人体制で効果的なプログラムを行っているNGOです。子ども達は路上で生きていく上で精神的に追い詰められることがあるため、Social workerやEducaterは日常的なコミュニケーションの中で貧困層の子ども達との信頼関係を築き、精神面でのサポートをしています。 私たちはChild Hopeで5〜16歳までの貧困層の子どもたち約20人とアクティビティをしました。子ど達の中には英語を話せる子達もいました。これはフィリピンでは英語を話せる人と話せない人とで賃金や雇用に格差があり、話せないと仕事が得づらいという状況にあるためです。そのためChild Hopeでは英語教育を行なっており、他にも子ども達を守るための性教育や、衛生教育、お金の使い方などをカリキュラムとして組み込んでいます。 Street childrenの中には Child Hopeの支援後、ホテルの清掃や運転手、 Child Hopeのスタッフとして働いている子もいます。

【アクティビティの内容】

「Smile for Children」というテーマで、フィリピンの貧困層の子ども達に楽しく幸せな思い出を作ってもらうことを目的として活動しました。アクテビティの中では、虹ができる仕組みを劇でわかりやすく説明したり、虹の五色の日本語名を教えました。その後のワークでは情操教育の一環として自分の笑顔や夢を描いてもらい、一つの大きな虹を完成させました。

次に天気をテーマにしたダンスを一緒に踊り、言葉の壁があっても笑顔やダンスを通して楽しさを共有することができました。最後にペットボトルの蓋でできた手作りのコマや、お菓子をプレゼントをしました。その時、一列に並んでもらったり、不公平がでないようコマは1人1個ずつというルールを設け、順番やルールを守る大切さを伝えました。 現地スタッフの方々からは、いつもよりも子ども達が笑顔で楽しそうだという嬉しいお言葉を頂くことができました。私達が積極的に関わることで、日頃、家族や周囲からの愛情を受けられない貧困層の子供達が、仲間や年上のお姉さんお兄さんとの関わりの中で、楽しい時間を共有できたことが子ども達の笑顔に繋がったのだと思います。

Sandiwaan訪問

現地のフリースクールを訪問しました。ここでは家庭の事情や経済的な事情で一時は退学を余儀なくされた14才以上の子どもたちが高校卒業認定を取得するために学んでいます。 卒業認定証書は、雇用主からの信頼を得て収入の良い職業に就いたり奨学金を得て大学に行ったりするのに必要不可欠です。授業では試験や就職に向け、数学や英語、コンピュータといった実用的な科目が学ばれていました。 子どもがいる20才の女の子、仕事をしながら通っている子など様々な境遇、年代の生徒が入り交じった教室でしたが、和気あいあいとした雰囲気で沢山の話をすることが出来ました。 その中で特に印象的に残ったことは、生徒たちは好奇心が強く、日本から来た私たちに強い関心を抱いてくれたこと、さらには各々が学校の先生やエンジニア、警察官など多種多様な夢を持っていたことです。 お互いに異なる言語をもつ同世代との今回の交流は彼らにとって、この学校で学んでいる英語をはじめとした知識を実践的に活用する機会でもありました。この体験を自信に変え、日々の学びへのモチベーションを向上させるきっかけとなる場を提供出来たのではないかと思います。 また、それと同時に、現在の決して裕福とはいえない生活の中で希望を見いだそうとしているひたむきな姿に、私たちも学ぶべきことがあると感じました。

ゴミ山

1995年に閉鎖されたスモーキーマウンテン(ゴミ山)に行きました。 閉鎖されてから時間が経ち、ゴミが土に変わり、一見土石が積もった山のように思えましたが、足元にはガラスや、金属、袋などが散乱しており、フィリピンにおけるゴミ処理の現状の悲惨さを実感しました。 ゴミ山の周辺には、政府が建てたアパートや、トタンや木材などのゴミで作った家に住んでいる人が多くいます。 また、ゴミ山の頂上には、コミュニティが形成されており、国際NGOによるとその規模は約100人とのことです。彼らは作物を育てて売ったり、ゴミを拾って売りに行ったりして生計を立てているそうです。

ゴミ山の子ども達は前日に訪問したStreet childrenとは住んでいる環境や身なり、話せる言語に違いがありました。一見同じような貧困層の子供でも、実際は置かれている状況はかなり異なっており、貧困の中でもレベルの差が大きいことに私達は衝撃を受けました。

子供たちとの触れ合いやChinld Hopeの職員の方へのヒアリングを通して、日本での自分達の生活と彼らの生活との間に大きな差があることを改めて実感しました。 また、政府の援助が欠如している中、様々なアクターが援助を行なっていますが、未だ問題解決には程遠いように思います。NGO団体などのみが支援するだけでなく、政府による援助がより一層必要であるということを強く感じました。 この活動で私達が抱いたモヤモヤとした疑問や調査結果をもう一度見直し、関学で11月に開催されるリサーチフェアにおいて、現在取り組まれている貧困問題解決に向けた政策の実現可能性を調査、発表したいと考えています。